英検対策まとめ!独学で2級に合格するための勉強法やオススメの参考書をご紹介

 

目次
1.英検とは

 1.1.概要
 1.2.TOEICとの違い
 1.3.試験のレベルと出題形式
2.勉強法
 2.1.まずは単語・熟語
 2.2.リーディング対策
 2.3.リスニング対策
 2.4.ライティング対策
 2.5.スピーキング対策
3.まとめ

 

1.英検とは

1.1.概要

英検とは、実用英語技能検定の略称で、公益財団法人日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援しています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級という7つのレベルで構成されており、年に3回実施されています。3級以上の試験は一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)に分かれています。

 

1.2.TOEICとの違い

英検と並んで近年受験者数が増加している試験にTOEIC(トーイック)があります。書店で「TOEIC スコア800点対策」のような見出しの本を目にすることも多いのではないでしょうか。ここでいうTOEICとはTOEIC Listening & Reading Testのことで、「リスニング」「リーディング」という2技能の合計点数で英語の能力が測定されます。

一方、英検では上記の2技能に「スピーキング」「ライティング」を加えた4技能で能力を測定されます。

日本人は一般的にインプット(リスニング・リーディング)の能力には長けているとされる一方で、アウトプット(スピーキング・ライティング)の能力は低いと言われています。したがって、英検対策にはより一層の集中力と根気が要求されると言えるでしょう。

 

1.3.試験のレベルと出題形式

英検2級のレベルは高校卒業程度が目安であるとされています。

必要な単語数は3,000語以上で、文法内容にも制限がありません。「リスニング」「ライティング」「スピーキング」の試験では日常会話や一般的な表現に関する問題が中心に出題される一方で、読解問題には医療やテクノロジーのような社会性のある問題も出題されるため、英語力だけでなく、ある程度の一般教養を身に着けることが英検対策に結びつくと言えるでしょう。

上述の通り、試験は一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)に分かれており、試験時間や出題形式は以下の通りです。

 

一次試験

筆記 (85分) /リスニング (約25分)

技能 形式 形式詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング

語句補充

文脈に合う適切な語句を補う。 20 短文
会話文
四肢選択
語句
補充
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 6 説明文
内容
一致選択
パッセージの内容に関する質問に答える。 12 Eメール
説明文
ライティング 英作文 指定されたトピックについての英作文を書く。 1 問題文なし 記述式
リスニング 内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
15 会話文

四肢選択

内容
一致選択
短いパッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
15 物語文
説明文

二次試験

英語での面接 (約7分)

技能 形式 形式詳細 問題数 解答形式
スピーキング 音読 約60語のパッセージを読む。 1 個人面接
面接委員1人
(応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などの観点で評価)
パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。 1
イラストについての質問 3コマのイラストの展開を説明する。 1
受験者自身の意見など ある事象・意見について自分の意見などを述べる。
(カードのトピックに関連した内容)
1
受験者自身の意見など 日常生活の一般的な事柄に関する自分の意見などを述べる。
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)
1

 

2.勉強法

2.1.まずは単語・熟語

上述の通り英検は「リスニング」「リーディング」「スピーキング」「ライティング」という4技能で測定され、それぞれの技能試験に応じた対策が必要となります。書店に行けば「長文対策」や「面接対策」と書かれた参考書を目にする機会も多いかと思います。それらの参考書は基礎的な英語力を既に身に着けている人にとっては有用である一方で、英語学習の「基礎」の段階を省略している場合がほとんどです。ここでいう「基礎」とは単語・熟語のことですね。それぞれの技能に応じた対策はいわば「応用」にあたります。基礎を身に着けずに応用を学ぶことは非常に困難です。まずは地道な単語・熟語学習から英検対策を始めていきましょう。

英検2級によく出る単語は、高校2~3年の教科書に出てくるレベルであるとされています。リーディングでは一般的な説明文(旅行のガイドブックなど)に加えて、医療やテクノロジーのような社会的な内容の長文を読めるだけの語彙力が必要となります。スピーキング・リスニング・ライティングでは日常レベルの語彙力が要求されるため、リーディングに要求されるレベルの単語を習得に照準を当てることが英検対策では基本となります。

さて、おすすめの参考書についてご紹介する前に、単語・熟語対策の際に常に頭にとどめておいて頂きたいことが2点あります。

 

1点目は、単語学習は覚えて忘れて、また覚えるというプロセスの繰り返しであるということ。

これは単語学習に限定されることではありませんが、人間一度は覚えたことも時間が経てば忘れてしまうものです。重要なのは完全に忘れてしまう前に、もう一度覚えるように試みることです。

 

2点目は、単語帳に収録されている単語すべてを暗記することはほとんど不可能であるということ。

皆さんは「単語帳なんてどれでも一緒」と言っている人に出会ったことがあるでしょうか。単語帳をまるごと一冊暗記出来る人にとってはそうかもしれませんが、筆者を含む多くの人にとってそれは難しいといえるでしょう。ある程度の取りこぼしを許容しつつ継続的な学習を心がけましょう。

 

参考書

勉強開始時の英語力や英語学習にかけられる費用・時間は人によって大きく異なるので、だれにとっても有用な教材を選ぶことはできませんが、筆者は【アプリ対応】英検2級 英単語 1750 英検ランク順 (学研英検シリーズ)という単語帳の使用をお勧めします。

この単語帳には最新の出題傾向を抑えたうえで頻出順に単語が掲載されているため、効率的な学習が出来ます。さらにはアプリと連動させることで、スマホさえあれば通学・通勤時間を有効に活用して学習を進めることが可能です。

 

勉強法

まずは、覚えている単語と覚えていない単語を区別する作業から始めましょう。上述の通り、単語は忘れてしまうものですから、いきなり完全に覚えようとはしないで、前から順番に読んでいき、知らない単語・熟語にはチェックを入れていきましょう。

その作業が済めば、今度はチェックを入れた単語を中心に毎日コツコツ覚えていきましょう。単語・熟語の学習に重要なのは継続です。「2週間で全部覚えよう!」というように高いハードルを設定することはおすすめしません。1日に覚える単語数を決めて学習を継続することが有効ですが、最初の数ページを見てペースを決定することは危険です。出題順の収録ですから、学習を進めて単語が難しくなるにつれペースの維持が困難になります。まずは5個から10個を目安にして単語学習を毎日のルーティンにしましょう。ペースを上げるのは余裕が出てきてから、繰り返しになりますが、最も重要なのは継続することです。

 

2.2.リーディング対策

続いてそれぞれの技能に応じた対策についてご紹介します。リーディング対策は大きく2つのプロセスに分けることができます。1つ目は狙われやすい文法を理解すること、2つ目は練習を重ねて出題形式に慣れることです。英検2級は高校卒業程度のレベルに設定されていますから、やや難しい文法問題が好んで出題されます、その中でも特に以下の5つの文法事項は要チェックといえるでしょう。

1.関係代名詞

2.使役動詞

3.仮定法

4.分詞構文

5.助動詞+完了形

これらの文法事項には聞き覚えがあり、苦手意識をお持ちの方も多いのではないでしょうか。これらを押さえればリーディング問題の正答率をぐっと向上します。文法についての問題集は数多くある一方で、コンパクトにまとまった参考書はそう多くありません。単語とは異なり文法は多くの要素の集合ですからどうしても解説が長くなるんですね。従って、文法学習のために英検に特化した参考書を購入する必要はないでしょう。学生時代に使用していた参考書があれば、それを用いて学習することをお勧めします。また、ネット上にも有用な無料サイトが多くあるのでそれらを利用するのも手でしょう。英文法の泉というサイトはちょうど英検2級レベルの文法がすっきりと整理されているのでおすすめです。

文法を押さえたらいよいよ実践です。とにかく演習を重ねて出題形式や時間配分に慣れること、これが合格への最短ルートです。英検は公式サイトから過去問を無料でダウンロードできますから、まずはそれを利用してみるといいでしょう。もっとも、少し手間がかかりますし、分量も用意できないので市販の問題集を購入して2、3週解く方が効率的かもしれません。独学の為の参考書としては英検2級 長文読解問題150 (旺文社英検書)がおすすめです。

この問題集は出題パターン・出題数がともに豊富なので継続的に学習を続ければかなりの読解力を身に着けることが可能です。

2.3.リスニング対策

英検2級のリスニングでは日常会話に加えてある程度社会性のある内容の会話を聞いて内容を理解することが要求されます。とはいえ、会話の内容を一言一句すべて理解する必要はありません。もちろんそれが理想ですが、理想はあくまで理想です。最初のうちは会話に登場する人物の関係性や状況を大まかに捉えることを心がけましょう。そのためには5W1Hに関係する表現をなるべく多く摘み取れるようにすることが肝心です。発話者は誰か(店員なのか客なのか)、場所はどこか(家なのかお店なのか)というように、重要な情報をとにかく逃さないようにしましょう。これらの情報は比較的平易な英単語で構成されるため、練習を重ねていけば少しずつ聞き取れるようになるでしょう。

リスニング学習の教材として、まずはやはり英検の公式サイトから過去問をダウンロードして利用してみるとよいでしょう。継続的な学習には不向きですが、試験のレベルを知ることは重要です。市販の参考書としておすすめできるのは2020年度版 英検2級 過去6回全問題集CD (旺文社英検書)です。

こちらの教材は実際の過去問の音声と原稿を収録しています。また、後述しますが面接試験の、音読の模範例、質問とその解答例も収録しているため、非常に有用な教材であると言えるでしょう。

リスニング教材を使用した勉強法として重要なのは一回の学習で最低3回聞くことです。1回目はそのまま問題に取り組みます。答え合わせを終えたら原稿を確認して知らない単語や熟語がないかすべてチェックしましょう。チェックが終われば今度は原稿を見ながら音声を流して、音とスペルを頭の中で一致させるように心がけましょう。先ほど、リスニングは一言一句聞き取る必要はないとお伝えしましたが、それはあくまでも解答時の話です。復習時は一言一句聞き逃さないつもりで臨みましょう。最後は原稿を見ないで音声だけを流して聞き取ります。もし聞き取れない箇所があれば再び原稿をチェックします。そうして何度も繰り返して一つの問題を完璧に聞き取れるようにしましょう。

さて、お気づきの通り上記のリスニング練習は途方もない時間と根気が必要です。毎日この方法で勉強することははっきり言って不可能です。この方法で勉強するのは週に1度か2度で十分でしょう。それ以外は一度解いた問題で構いませんから、一日15分は英語の音声を聞くように心がけましょう。音声ファイルをスマホや音楽プレイヤーに入れておき、通勤・通学中に聞くだけでも十分です。とはいえ、ただ聞くのではなく、必ず内容を理解するように努めることを忘れずに。長時間聞きっぱなしにするのではなく、短時間集中して取り組みましょう。

 

2.4.ライティング対策

イティングは、一次試験・筆記の大問4として出題されます。例えば「海外で休暇を過ごす人は増えると思いますか?」など、社会的なトピックについて、自分の意見と、その理由を2つ、80~100語の英文(エッセイ)でまとめます。社会的な話題に日頃から関心を持ち、それに対する様々な意見を知っておくことや、説得力のある英文の書き方を身に着けておく必要があります。実はライティングは独学での習熟が難しい技能です。とはいえ、解答の型を理解したうえで、練習を重ねればある程度の対策は取ることができます。

ライティングの問題は次の構造に沿って解答するように心がけましょう。

 

1.主張 (1文:10~20語 / 私は〇〇だと思う。(I think~)

2. 理由1 (1文:10語)/ 第一に〇〇だから。(First, ~)

3.理由を支持する具体例 (1~2文:20語)/ 何故ならこういう場合がある。(There is~, We can~, etc)

4.理由2 (1文:10語)/ 第二に〇〇だから。(Secondly, ~)

5.理由を支持する具体例 (1~2文:20語)

6. 再主張 (1文:10~20語) / 以上から 私は〇〇だと思う(For these reasons, ~)

 

このように英作文の解答の2~3割は既に決まっているんですね。あとは残りの部分を文法的な間違いをせずに埋めていく作業になります。ここで一つ注意していただきたいのが、難しい表現を使おうとしないことです。使用する文法は中学校で学習するレベルで十分。とにかくミスをしないように心がけましょう。

独学におすすめの参考書は英検2級ライティング大特訓 (アスク出版)です。

この教材には様々なパターンの問題と、解答例が収録されていますので独学でも十分に力つけることが可能です。また、ライティングの際に筆者がおすすめしたいのはWordの使用です。ライティングの対策をする際には何度も消して書き直すことになります。ノートやルーズリーフでそれを行うとなかなか効率が上がりません。その点Wordであれば書き直しが自由なだけでなく、語数カウント、スペルチェックもできますから効率よく学習を進められるでしょう。

 

2.5.スピーキング対策

英検2級のスピーキングでは、社会性のある話題についてやりとりすることができるレベルが求められます。

スピーキングテストは、二次試験において面接形式で行われます。
まず問題カードに記載されたパッセージの音読を求められ、それからそのパッセージに関する質問をされます。その後、問題カードに印刷されたイラストの内容を描写する問題が出されます。最後に、自分の意見などが質問されます。
取り扱う話題は、オンライン会議、新しいエネルギー、サプリメントなどの社会問題です。日頃から、こういったニュースをチェックしておくとよいでしょう。

参考書はリスニング対策でもご紹介した2020年度版 英検2級 過去6回全問題集CD (旺文社英検書)がおすすめです。

また、DVD付きの教材として10日でできる! 英検2級 二次試験・面接 完全予想問題という教材を使用すれば、より具体的なイメージを持って対策に取り組めるでしょう。

独学でできる面接の対策手段はかなり限られてきますが、他の技能同様に出題形式をある程度理解しておくことが重要です。どれだけ単語や文法を身に着けても予想外のトピックについて話すことは日本語であっても難しいことです。問題集を何周も解いてスラスラ話せるトピックを少しずつ増やしていきましょう。

 

 

 

3.まとめ

以上、独学でできる英検2級の対策についてご紹介してきました。英検は出題形式が決まっていますので、それぞれの形式に親しむことで合格率を上昇させることが可能です。そのためにも無理のない計画を立てて継続的な学習をこころがけましょう。

 

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