基本的な助動詞を分かりやすく解説!
助動詞は、動詞の意味を変えることから、英語を習得する上で重要な要素です。当記事では、「助動詞とは?」「どんな特徴があるの?」という疑問に答える、助動詞の特徴を解説します。さらに、「よく使う助動詞の一覧」と「5つの頻出助動詞」も紹介します。
英語初心者の人、学び直しをしている人は必読です。
Table of Contents
英語における助動詞の特徴
そもそも助動詞とは、その名の通り「動詞を助ける言葉」です。
日本語の助動詞は、受け身(~られる)・可能(~できる)・使役(~させる)・推量(~だろう)・伝聞(~らしい)など20近い種類が存在します。助動詞は、自立して意味を持つことができないため、「走れる」「手伝わせる」「来るだろう」など動詞と密接に結びついて、動詞の意味を加える役割を担います。
英語の助動詞も同様に、動詞と一緒に使うことで、動詞に意味を加えます。ただし、日本語の助動詞とは異なり、動詞と結びつかずに「主語と動詞の間」に入れて使われます。さらに、助動詞を用いる際は、「動詞が原型になる」「三人称単数現在でも動詞からsがなくなる」という2つの特徴があります。
He play the piano. 彼はピアノを弾く。 ⇓ He can play the piano. 彼はピアノを弾くことができる。 |
英語の助動詞一覧
赤文字にした代表的な5つの助動詞は、次項で解説しますが、まずは英検やTOEICで必要となる15個の助動詞を一覧にしました。
英語の助動詞は、1つの単語で2つの意味を持つものが存在します。意味①が対象の助動詞の基本的な意味となります。使用することも多いため、まずは意味①のイメージをインプットしてから、発展的な意味である意味②を覚えましょう。基本的な意味を覚えれば、文脈で意味①なのか意味②なのかを判断できます。
助動詞 |
意味① |
意味② |
can |
(能力・可能)〜できる |
(推量)〜ありうる |
could |
〜できた ※canの過去形 |
〜かもしれない |
will |
(意志)〜するつもりだ ※未来のことを表現 |
(高い各進度の推量)~のはずだ |
would |
(過去の強い意思)〜でしょう ※willの過去形 |
- |
shall |
(約束・予言)〜するつもりだ ※未来のことを表現 ※willより文語的 |
- |
should |
(義務・必要)〜すべきだ |
(推量・当然)~のはずだ |
used to |
(過去の習慣的な動作)~したものだった (過去の継続的な状態)以前〜でした |
|
ought to |
(義務)〜すべきだ |
〜のはずです |
have to |
(義務)〜しなければならない |
(推量)~に違いない |
must |
(義務)〜しなければならない |
(推量)~に違いない |
need |
〜する必要がある |
- |
had better |
〜した方がよい |
- |
may |
(許可)〜してもよい (推量)〜かもしれない |
|
might |
〜かもしれない ※mayの過去形 |
- |
dare |
あえて〜する |
〜の勇気がある |
【最重要】5つの頻出助動詞
続いては、必ずチェックしておきたい助動詞5つを紹介します。前項で紹介しきれなかった各助動詞の詳しいイメージや、疑問文・否定文の作り方についても見ていきましょう。
①Can
Canは、英語初心者でも耳にしたことがある助動詞で、「可能性」のイメージを持っています。大統領の演説や、映画のセリフでも、非常によく使われます。助動詞のなかでも、特に頻出する助動詞であるため、助動詞を理解できていない人は最初に学習するのがおすすめです。
肯定文のCan
Canには、「〜できる」「〜ありうる」という2つの意味が存在します。「〜できる」には、さらに「能力的な可能」「状況的な可能」の2つがあります。
能力的な可能 |
I can play tennis. 私はテニスができる。 |
状況的な可能 |
I can go home early tonight. 私は今夜早く帰ることができる。 |
推量 |
Anyone can make a mistake. 誰でもミスを犯すことはありうる。 |
疑問文のCan
Canは疑問文にすることで、可能・推量のとは別に、「許可」「依頼」の2つの意味も意味することができます。Canの疑問文は、Canを文頭に持ってくることで作ることができます。
可能 |
Can he play tennis? 彼はテニスができますか? |
推量 |
Can she tell a lie? 彼女は嘘を言っているだろうか? |
許可 |
Can I help you? 何かお手伝いしてもいいですか? (=何か手伝いましょうか?) |
依頼 |
Can you open the window? 窓を開けてくれますか? |
否定文のCan
否定文のCanは、後ろに「not」を付けることで作ることができます。notの付け方は、「can’t」「cannot」の2種類があり、どちらを使っても構いません。
推量の否定文の場合は、「~のはずがない」という意味になります。
可能 |
I can’t/cannot go home early tonight. 私は今夜早く帰ることができない。 |
推量 |
It can’t/cannot be true. それは真実のはずがない。 |
②Will
Willも、Canとおなじくらいよく使われる助動詞で、主に未来の文章を作る時に使用されます。Willの基本イメージは、「~する強い意志」です。「これから~することに強い意志がある」つまり、「~するつもりだ」という理解することができます。
肯定文のWill
Willの肯定文は、「~するつもり」もしくは「~するだろう」という意味の文章が作れます。助動詞のWillで未来の文章を作る場合は、Tomorrowなど未来の単語と一緒に使いましょう。
意志 |
I will go there,no matter what you say. あなたが何と言おうと私はそこに行くつもりだ。 |
推量 |
She will be in Okinawa now. 彼女は今頃沖縄にいるはずだ。 |
疑問文のWill
疑問文のWillでは、「意志」の意味とは別に、主に「未来」「依頼」の意味を持ちます。依頼の疑問文の場合は、「Will you~?」で始まることがポイントです。
意志/推量 |
Will she go to shopping tomorrow? 彼女は明日買い物に行くでしょうか? |
依頼 |
Will you go to shopping with me? 私と一緒に買い物に行ってくれる? |
否定文のWill
Willを否定文にする場合は、Willのあとに「not」を付けます。ただし、短縮形にする場合「won’t」となるため注意しましょう。
意志 |
I won’t go to shopping. 私は買い物に行くつもりはない。 |
③May
Mayは、「上から下への許容」というイメージを持ちましょう。許可や推量は、Canも同義を持っていますが、Mayの方がCanよりも形式ばった言い方となります。
肯定文のMay
許可のMayは上司が部下に許可を与えるイメージを持つ表現であるため、使用する相手には注意が必要です。
許可 |
You may go to bathroom now. 今トイレに行ってもいいよ。 |
推量 |
It may rain tomorrow. 明日雨が降るかもしれない。 |
疑問文のMay
「May I~?」は相手の許可を求める表現で、相手に敬意を払ったニュアンスを出すことができます。「Can you~?」は、自分ができるかどうかの可能性を問う表現であるため、相手と自分は対等であるニュアンスを出すことが可能です。
許可 |
May I go to bathroom now? 今トイレに行ってもいいですか? |
否定文のMay
Mayの否定文は、後ろに「not」を付けて作ります。許可のMayは、「~しても良い」の否定、「~してはいけない」という意味に転じます。
許可 |
You may not go to bathroom now. 今トイレに行ってはいけません。 |
推量 |
It may not rain tonight. 明日雨は降らないかもしれない。 |
④Must
Mustは、「強制」「圧力」のイメージを持った助動詞です。話し手が、相手に対して非常に積極的に強制する強い提案を指示します。
Mustとほぼ同義である「~しなければならない」の意味を持った表現に「Have to~」がありますが、Mustの方が「自分の意思」による強制を表現します。Have to~は、「外的要因による」強制とイメージしてください。
肯定文のMust
言葉に緊迫感が生まれるため、場合によっては、相手が不快に思ってしまいます。相手との関係性や、状況に応じて、注意しながら使用する必要があります。
義務 |
You must leave here. あなたはここを離れなければならない。 |
推量 |
He must have worked too much. 彼は働き過ぎだったに違いない。 |
疑問文のMust
疑問文を作る場合は、他の助動詞と同様に、Mustを文頭に持ってきます。
義務 |
Must I leave here. 私はここを離れなければなりませんか? |
否定文のMust
否定文ではMustの後ろに、「not」を付けます。肯定文では、近しい意味を持つHave to~ですが、否定文では「~しなくてもいい」という意味になり、Mustと大きく意味が異なります。
禁止 |
You must not leave here. あなたはここを離れてはいけない。 |
⑤Shoud
「当然・義務」というイメージを念頭に、「こうするべき!」という重い提案から軽い提案まで頻繁に使用されます。Shouldは、Shallの過去形ですが、Shallはあまり日常会話で使われないため、Shouldの方が出会う機会は多いでしょう。
肯定文のShoud
Shoudには、「義務」「推量」の2つの意味を持っています。Shoudの肯定文では、義務・推量いずれも「Ought to~」を使って書き換えることもできます。ただし、Ought to~はShouldの義務よりも少し強いニュアンスを持ちます。推量の場合は、ShouldとOught to~は同じ役割を持ちます。
義務・必要 |
You should do it now. あなたはそれを今すべきでだよ。 |
推量・当然 |
He should be married. 彼は結婚しているはずだ。 |
疑問文のShoud
疑問文のShouldは、「Ought 主語 to 動詞~?」のように、書き換えることが可能です。
義務・必要 |
Should I do it now. 私はそれを今すべきですか?。 |
否定文のShoud
否定文にするためには、Shouldの後ろに「not」を付けてください。「主語 ought not to 動詞~?」と書き換えることも可能です。
義務・必要 |
You should do it now. あなたはそれを今すべきではありません。 |
義務・推量を表す助動詞の覚え方
助動詞では、推量・義務の意味を持つものが複数存在しました。
義務・推量の意味を持つ助動詞を正しく使うためには、意味の強さを順番に覚えるのがおすすめです。義務・推量ともに、それぞれの特徴や意味の強さを理解することで、自分の意思を的確に表現することができます。
義務 |
意味の強さ |
推量 |
|
must |
~しなければならない |
100% |
~に違いない |
will |
– |
~のはずだ |
|
should |
~すべきだ |
⇑ |
~のはずだ |
can |
~できる |
50% |
〜ありうる |
may |
~してもよい |
⇓ |
〜かもしれない |
can’t, cannot |
~できない |
0% |
~はずがない |
まとめ
今回は、英語の助動詞の基本を解説しました。助動詞は、動詞と一緒に使うことで、動詞に意味をプラスことができます。助動詞は数多くの種類がありますが、まずは基本の5つを覚えましょう。似た意味を持つ表現が他にある助動詞も存在するため、書き換えの練習や、微妙なニュアンスの違いも確認しておきましょう。