形容詞を英語で使いたい時のポイントと注意点

形容詞は、一言で説明すると「名詞を修飾する言葉」です。修飾は「言葉を限定したり説明すること」です。英語を話す上で形容詞を正しく使えないと意味不明な文章になってしまいます。形容詞は英会話をする上で欠かせない品詞です。形容詞を使わずに英語で話すのは不可能でしょう。そこで、今回は形容詞を使うときのポイントと注意点を見ていきましょう。
 

形容詞は名詞の状態や性質を説明する品詞

会話で必ず出てくるのが、ヒト・モノ・コトに関する情報です。ヒト・モノ・コトは名詞と呼ばれる品詞です。人の名前、物の名前、何があったか、など必ず会話に出てくるものです。これらは、話す人によって多種多様な表現をすることができます。例えば、「この本は大きい」「黒い本」「海外の本」など名詞に情報を与えることができます。このように名詞を装飾し状態や性質を説明する語句を形容詞と呼びます。
 
英語の例文をいくつか見てみましょう。
・good news (良い知らせ) 
→「良い知らせ」というと「知らせ」に対してどんな知らせかを説明しています。
・a cute dog(かわいい犬)
→「かわいい犬」は、犬がどんな犬かを説明しています。
・Tom is happy. (トムは幸せだ)
→トムが優しい性格、背が高いなどありますが、ここでは「幸せだ」という状態を説明しています。
 
 
基本的な形容詞
英会話をする上でよく使う基本的な形容詞があります。それらをここで一覧にしてみました。一気に覚えてワンランク上の会話をしてみてはいかがでしょうか。基本的な形容詞は以下の通りです。
 
・bad(悪い)
・big(大きい)
・black(黒い)
・fine(優れた)
・good(良い)
・great(大きい)
・high(高い)
・large(広い)
・long(長い)
・low(低い)
・new(新しい)
・nice(楽しい)
・old(古い)
・right(正しい)
・small(小さい)
・white(白い)
・young(若い)
・true(真実の)
 
では、これらの形容詞をどのように使っていけばよいのでしょうか。次に項から詳しく見ていきましょう。
 

英語の形容詞の使い方

英語の形容詞には以下の2通りの使い方があります。
名詞の意味を限定する使い方と名詞を説明する使い方の2つで、形容詞は配置する場所で意味が変わってきます。
 
限定用法→名詞の前に配置すると名詞を限定する形容詞になります。
叙述用法→名詞の後ろに配置すると名詞を説明する形容詞になります。名詞と形容詞の間には動詞が入ります。
 
では、次の項から詳しく見ていきましょう。
 

形容詞の限定用法

「限定用法」と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば、「形容詞+名詞」で名詞を前から修飾する用法です。難しく考える必要はありません。例えば以下のような文章は、名詞を前から修飾しています。
 
・a big garden (大きな庭)
→世の中には様々な種類の庭が存在しますが、その中でも「大きな庭」を指しています。
・popular ballads (人気なバラード曲)
→世の中には様々な種類のバラード曲がありますが、その中でも「人気なバラード曲」を指しています。
 
形容詞の中には、名詞の前に置くことでしか使えない物もあります。以下の形容詞は、主に名詞を前から修飾して使うので、覚えておくと良いでしょう。
 
・bridal(花嫁の)
・countless(無数の)
・digital(指の)
・existing(存在する)
・institutional(制度の)
・introductory(入門の)
・neighboring(近隣の)
・occasional(時折の)
・underlying(根本的な)
・woolen(毛織の)
 

形容詞の叙述用法

先程同様、「叙述用法」と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば、be動詞に接続する形容詞ということです。「be動詞+形容詞」で名詞を後ろから修飾する用法を叙述用法といいます。難しく考える必要はありません。例えば以下のような文章は、be動詞に接続して修飾しています。
 
・The children are happy. (その子供たちは幸せだ)
→子どもたちがいま「幸せ」である状態を示しています。
・She seems careless. (彼女はそそっかしいようだ)
→「彼女」が「そそっかしい」ことを示しています。
 
形容詞の中には、be動詞に接続する用法のみで使われる物もあります。以下の形容詞は、主に名詞を後ろから修飾して使うので、覚えておくと良いでしょう。
 
・alive(生きて)
・alone(ひとりで)
・asleep(眠って)
・awake(目が覚めて)
・due(支払われるべき)
・lad(嬉しい)
・likely(〜しそうな)
・sorry(気の毒に思って)
・sure(確信して)
・well(満足すべき)
 

配置する場所によって意味が変わる形容詞

形容詞の中には「名詞の前から修飾する用法」と「be動詞に接続する用法」で意味が変わるものもあります。例えば、「old」は以下のような違いがあります。
 
・my old school (私の母校)
・He is old. (彼はお年寄りだ)
 
また、中には文脈が無ければ意味が曖昧になるものもあります。例えば、responsibleは以下のよな違いが現れます。
 
・That responsible person (あの信頼のおける人)
・That person is responsible. (あの人は信頼がおける/責任を取るべき)
 
意味の違いを恐れて会話できなくなってしまうのは良くないですが、英文を書く際は辞書で調べ、意味を確かめてから書くと良いかもしれません。
 

形容詞を使う時に間違えやすいポイントと対処法

形容詞を使う際、間違えやすいポイントとその対処法を紹介していきます。是非参考にしてみてください。
 
 
「形容詞+名詞」と「名詞+名詞」の違い
名詞を修飾するのは形容詞だけではありません。名詞も名詞を修飾することができます。
 
・形容詞+名詞: a blue jacket (青いジャケット)
・名詞+名詞: a bus station (バス停)
 
ただし、「名詞+名詞」の組み合わせは、該当する形容詞が存在しない場合です。上記の場合は、bus(バス)に形容詞がないので、名詞で修飾しておりbus station(バス停)となります。
その他にも、「名詞+名詞」の組み合わせは、a Shibuya bar(渋谷のバー)のような固有名詞、swimming pool(水泳プール)のような-ing形、higher education(高等教育)のような形容詞の比較級など、様々な語句で修飾できるので、色々な場面で使われます。
いずれにしても、名詞に対して意味を付けています。分類について難しく考えたり、迷って会話ができなくなることを恐れるよりも、まずは語句が持つ意味を考えるようにしましょう。
 
 
命令文にできない形容詞もある
Be careful.が「注意しなさい」を意味しますが、「Be+形容詞」でも命令文にできない形容詞も存在します。形容詞の持つ意味で考えると分かりやすいので、命令文を使いたい場合は意識してみましょう。
「自分の意志で実行できることかどうか」が判断の基準として使われます。例えば、以下の例文で見てみましょう。
 
正:Be careful. (注意しなさい)
誤:Be tall. (背を高くしなさい?)
 
careful(注意深い)は自分の意志で実行できますが、tall(背の高い)は自分の意志で実行できません。このように、動作を表す形容詞は命令文にも使用できますが、状態を表す形容詞は命令文には使えません。
 
 
目的語を伴う形容詞
一部の形容詞は、直後に目的語を必要とすることがあります。
例えば、以下のような文章の場合、「like」は直後に目的語を必要としています。
 
・She’s very like has sister. (彼女は姉にとても似ている)
 
 
名詞の後ろに置く形容詞
形容詞の中には、名詞の後ろに置くことができるものもあります。
その場合、以下の例文のように省略されているものがあったり、ニュアンスが違ったりしてきます。
 
・be動詞に接続: This information is useful. (この情報は役立つ)
・名詞の直前: useful information (役立つ情報)
→be動詞に接続する形容詞と、名詞の直後に置く形容詞はよく似ています。be動詞に接続する形容詞の場合、「一時的」な性質を持ちます。つまり、「This information is useful.」の場合「情報が”いま”役立つ」という意味が含まれているため、ニュアンスが変わってきます。
 
・名詞の直後: something useful (役立つ何か)
→名詞の直後に形容詞がくる場合、関係代名詞が省略されていると考えましょう。
 
 
形容詞を複数同時に使う際の順番
形容詞を複数同時に使う場合、「使う形容詞の順番が違うと意味が伝わらない」ことがあります。
形容詞を複数使いたい場合は、決まった順番があります。一般的に、「性質を表す形容詞>色を表す形容詞>分類を表す形容詞」の順に使われることが多いので、覚えておくと便利でしょう。以下のような順番で言えると綺麗な文章に聞こえるでしょう。ただし、形容詞の配列順が厳密に守られているわけではないので頭に入れておきましょう。
 
1.限定詞(determiner)→a, my, this, firstなど
2.意見・感想・評価 (opinion)→lovely, beautifulなど
3.大きさ(size) →big, small, tallなど
4.新しさ・古さ(age)→young, old, newなど
5.形(shape)→triangular, squareなど
6.色(color)→blue, white, yellow, blackなど
7.所属(origin)→Japanese, European, Buddhist, Christianなど
8.素材(materials)→silk, cotton, leatherなど
 
例えば、「美しい黒いスーツ」と英語で言う時、a beautiful black suitは伝わりますが、語順を入れ替えたa black beautiful suitは伝わりません。
 

基本的な形容詞

以下に中学でも習う基本的な形容詞を一覧でまとめましたので、英語学習の基礎に役立てて頂ければと思います。
 
・alone(一人の)
・beautiful(美しい)
・cheap(安い)
・dangerous(危険な)
・easy(簡単な)
・far(遠い)
・good(良い)
・hungry(お腹のすいた)
・important(重要な)
・just(正しい)
・kind(優しい)
・late(遅い)
・much(たくさんの)
・natural(自然の)
・other(他の)
・popular(人気の)
・quick(速い)
・ready(用意ができた)
・safe(安全な)
・true(本当の)
・useful(便利な)
・various(多様な)
・weak(弱い)
・young(若い)
 

ポイントを抑えれば形容詞は使える

形容詞は英語学習には外すことはできない重要な品詞ですが、しっかりした使い方、配置順を覚えれば基本は問題ありません。あまり深く考え込んでしまうと、失敗を恐れて話せなくなってしまうこともありますので、まずは今回紹介した例などを参考に、英語で話す時に形容詞に気を付けて見てはいかがでしょうか。

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